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テスト用のネガを作る
さて、標準的な被写体のダイナミックレンジを9EVと仮定しました。 次はその9EVのダイナミックレンジが、標準号数の印画紙上に、濃さの変化として過不足無く移せるようにフィルム現像を調整する段階です。
印画紙はここでは2号という事にしておきますね。 多階調印画紙の場合は、言うまでもなく、2号フィルターでプリントするという意味になります。

2号印画紙に9EVのダイナミックレンジが移し替えられるかどうかを調べるのに、いちばん確実な方法は実際にプリントしてみることです。
もし、ダイナミックレンジが9EVである事が明らかに分かっている被写体があるならば、それを撮影してプリントすれば済みますが、なかなかそういうチャンスは得られません。
そこで、少々無味乾燥ではありますが、人工的にダイナミックレンジ9EVを作り出します。

無地の被写体を撮影する
コンクリートの壁、白いタオル、なんでも構いませんが、無地の平面を見つけて、それを画面いっぱいに撮影します。 測光は、カメラ内蔵のTTL露出計であれば、スポット測光、部分測光、または中央重点平均測光で行います。 多分割評価測光は測光値の演算により左右される事があるので避けます。
カメラに露出計が内蔵されていない場合、単体の露出計を使うなら反射光式で無地の被写体だけを測光し、入射光式露出計ではグレーカードを正しくセットして測光・撮影します。 しかし、入射光式露出計でグレーカードを正しく撮影するのは意外と難しく、出来たつもりで全然ダメ、というケースを多く見かけますのでボクはお勧めしません。
単体の反射光式、あるいはレンジファインダーカメラなどで、カメラに内蔵の露出計でもTTL測光ではない場合、対象を画面いっぱいに撮影するため近づきすぎると誤差が生じますので注意してください。
現像が終わったネガフィルムを見てみます。

ネガのイメージ
                 
fb+f -5EV -4 2/3EV -4 1/3EV -4EV -3 2/3EV -3 1/3EV -3EV -2 2/3EV -2 1/3EV
測光値-5EV、つまりゾーン0の部分は真っ暗・真っ黒ですから、ここはネガ上でも素ヌケで構いません。 しかし実際には、この部分もごくわずかに濃度があるのが普通です。
測光値-4EV、つまりゾーン1の部分は、プリント上で真っ黒よりもいくらか薄い黒でなくてはなりませんから、ネガ上では素ヌケではなく、濃度が無くてはなりません。 しかも、ごくごくわずか、では、実用上のゾーン1にはならないことがほとんどです。 そのへんは後ほど検証しますが、この段階でゾーン1のはずの部分もゾーン0の部分とさして変わらない素ヌケに近い状態だとすると、全体として露光不足であったことは明白です。
露光不足というのは、テストの際の測光がまずかったという可能性もありますが、そうで無い場合はフィルムの感度不足です。
ISO400のフィルムを、先ほどのテスト撮影で感度400としてカメラや露出計にセットしていたとすると、実際はそのフィルムの感度は400も無い、という事になってしまいますが、実は、実際にはそうしたケースがほとんどで、通常の使用でISO感度通りの感度が出せるフィルムはほぼ皆無と言っていいのです。 つまり、テスト撮影時にISO感度を基準にした場合、測光値-4EVで十分なゾーン1相当のネガ濃度を得るのは難しいというのが現実です。
それでも、さすがにゾーン2、ゾーン3、と、撮影したゾーンが上に上がるほど、露光量が多いわけですからネガの濃度は濃くなって行きますね。

続いては、このテスト現像の結果を検証します。

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