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現像時間の検証
ひとまず、フィルムの実感度が仮に決まったら、今度はその感度を用いて再度テストを行います。
今度はフィルム現像の「量=時間」を確かめるテストですから、すなわちネガのコントラストを確かめる、という事になります。
先ほどと同じように無地の被写体を撮影し、プリントするわけですが、測光値-4EVがプリントでゾーン1を得られる露光量のための、カメラや露出計にセットする感度は分かっていますので調べなくてもいいわけです。
調べるのは、逆にハイライト側です。
要するに、どれだけ露光量が多いところまで印画紙にプリントできるのかという事。
ダイナミックレンジ9EVを標準的な被写体のコントラストである、という風に仮定して、暗い方に向かって4EVまでは感度という形で設定しましたので、測光値+4EVが、印画紙上で白トビせず、かといって暗すぎないように、ネガのコントラストがあれば良いのです。
白トビしない、というのはわかりやすいですが、暗すぎない、というのは主観的なので難しい基準です。
しかし、測光値+5EVが白トビして、+4EVが白トビしなければ、それはゾーン10とゾーン9として考えて良いわけですから簡単ですね。
先ほどと同じ、無地の被写体を段階露光します。
測光値+4EV前後を刻んで露光し、現像します。
素ヌケのコマで印画紙上に最大濃度を得られる最短の露光時間でテストストリップをプリントします。
ネガの薄いコマ、つまり露光量の少ないコマからプリントしていき、印画紙上で白トビするまで続けます。
ここで、測光値+4EVのコマは白トビせず、測光値+5EVのコマが白トビしたら、今回の現像は、現像量=現像時間が適正です。
+5EVのコマが白トビせず、印画紙上で薄いグレーになるようでしたら、それはネガのコントラストが不足ですから、現像不足=現像時間が短いという事になります。
+5EVまで行かず、+4EVのコマで白トビしてしまったら、それはネガのコントラストが高すぎで、現像過多=現像時間が長い、という事になります。
さて、このテストでネガのコントラスト=現像時間が適切であることが分かったら、この段階で標準現像と、その現像でのフィルム感度は確定です。
この感度は、ゾーン1というディープシャドウを基準にして決めてありますので、シャドウ基準実効感度とボクは呼んでいます。
テストした現像時間では、ネガのコントラストが適正でなかった場合、現像時間を変えて再度テストすることになりますが、現像時間を変えるとゾーン1付近の濃度も変化する可能性がありますので、感度も合わせてテストしなくてはいけません。
とはいえ、大体のところは既に分かっているので、今回のように2回に分ける必要はなく、測光値-4EV前後、測光値+4EV前後をそれぞれ段階露光で、1本のフィルムに撮影し、現像、テストプリントすれば良いのです。
一般的に、コントラストのテストで1ゾーン分ズレていた場合、現像時間は15から18%くらいの調整になる事が多いようです。
さて、こうして標準現像とシャドウ基準実効感度が決まりました。
もちろん、これは被写体のダイナミックレンジが9EVであり、印画紙は2号なり3号と、テストに用いたものに対して調整してあるわけですが、仮に実際の被写体のダイナミックレンジが8EVや7EVしかなかったり、逆に10EVと多くあったとしても、プリント時に印画紙の号数を変えれば容易に対応できます。
また、9EVというのはボクの経験ではやや余裕のある幅だと思いますし、測光値-4EVより暗い部分というのにはあまり遭遇しませんから、測光さえ間違わなければシャドウが潰れた、という事もほとんど起きません。
逆に、測光値+4EVよりも明るい部分というのは光源や反射するガラスなど頻繁に出くわしますが、プラス側はプリントでリカバーしやすいですからそれほど心配しなくて良いでしょう。
それよりも、ネガフィルムではゾーン1濃度を得られる露光量、つまり正しく測光した場合の測光値-4EVより少ないと、なんら印画紙上に濃度を出せないという仕組みが今回のテストで分かったと思いますので、測光はシャドウを基準にして露光不足は避ける、というネガフィルムでの撮影の鉄則を守るようにしましょう。
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