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モノクロ写真の引き伸ばしプリント
インターネットの普及で多くの方がホームページやブログを開設するようになり、写真作品の発表もネット上の画像がメイン、という事が非常に多くなったように思います。
そのため、銀塩モノクロフィルムによる撮影といっても、ネガフィルムからのスキャンで間に合ってしまうという事にもなり、あるいはフィルム現像はするけれどプリントはしない、という方も案外多いかも知れません。
それはそれで決して悪いことだとはボクは思いません。
フィルム現像は道具類への投資も少なく場所も取りませんし、そもそも暗室すら必要ありませんからかなり手軽です。
それでも、全てが電気仕掛けのデジタル撮影よりはるかに写真らしい写真でしょう。
いっぽう、ウェットプロセスによるプリント作成は暗室も必要ですし、それなりの場所も取ります。
設備・道具・消耗品類への投資、作成の手間など、手軽とは言いにくい部分がやはりあります。
しかし、それでも敢えてボクは、ネガフィルムはあくまでも写真が出来上がる前の材料でしかなく、プリントでなければ出来上がった写真ではない、と言いたいです。
それは、写真というのは本来パソコンの画面の上の電気信号ではなく、手にとって眺めたり、あるいは大切な人に贈ったり贈られたり、壁に掛けて楽しんだり、机の上のフォトフレームで微笑んでいたりする、姿と形、質感のあるものだと信じているからです。
写真は本来、無機質なプラスチック製のプリンターからはき出される紙ではなく、人の手によって1枚1枚心を込めて作られるものだと信じているからです。
というのはまぁ、ちょっと格好良く言ってみただけなのでさておいて(笑)、このページでは引き伸ばしプリントの基本的な手順をご紹介します。
最近はネットオークションなどで中古の引き伸ばし機や道具類が安価に出回ってますし、暗室を作る場所とご家族のご理解さえ得られれば、以前より手軽に始められるようになったのかも知れません。
ここはひとつ、思い切って。素晴らしい銀塩ウェットプロセスによるプリント作成に挑戦してみましょう。
引き伸ばしプリントに必要な道具類はこちらのページでもご紹介していますので、これから揃えようと言う方は参考にしてみて下さい。
薬品についてはこちら、印画紙についてはこちらのページです。
薬品・感剤(印画紙)は、初めのうちはできるだけポピュラーなものを選んだ方が無難です。
また、特に印画紙については多階調のRC紙(レジンコート紙)を選んで下さい。
多階調より号数紙の方がいい、などなど、いろいろ聞いたり読んだりすると思いますが、現在の多階調紙の性能を考えればボクはそうは言い切れません。
また、バライタ紙(FB紙)は工程に時間がかかり、練習には非常に不向きです。
RC紙で十二分にプリント作成を学んでから試してみればよいと思います。
ついつい「バライタじゃなくちゃ、RCなんて・・・」という気になってしまうものですが、プリントの基礎がそれ以前ではしょうがないですからね。正直、10年早いって人、多いです(生意気言ってスミマセン)。
多階調のRC紙では、イルフォードのマルチグレードIVRCデラックスを個人的にはお勧めします。表面の仕上げに3タイプありますが、ボク個人的にはパールが好みですし無難だと思います。
現像液も同社の液体タイプが手軽で良いでしょう。
印画紙用の定着液は、フィルムの場合と同じくイルフォードの「ハイパムフィクサー」をお勧めします。これは非硬膜化タイプの迅速定着液で処理時間が短く、硬膜化タイプより水洗の手間も少なく済みます。
また、そもそも印画紙に硬膜化タイプの定着液はお勧めできません。
定着液としては富士の「フジフィックス」「スーパーフジフィックス」が日本ではポピュラーな製品なのですが、出来れば避けて下さい。
プリントするコマとプリントサイズを決める
コンタクトプリントやネガシートをパラパラとめくって、さ〜て今日はどれをプリントしようか、などと思案する時間は結構楽しかったりします。
プリントするコマを選んだら、プリントサイズを決めましょう。
使用する印画紙が5x7インチ(大キャビネ)の場合、35ミリフィルムでしたらばプリントの画像サイズは4x6インチくらいが手頃でしょう。
8x10インチ印画紙(六切)でしたらば、ギリギリ大きなサイズで6x9インチでも良いですが、ボクは5x7.5インチとしています。
プリントを作るたびにバラバラでは後で見返したときにみっともないので、11x14インチ印画紙(大四切)でしたら8x12インチなど、自分なりにプリントの画像サイズを決めておいた方がいいでしょう。
もちろん、35フィルムのフォーマットが2:3なのでそれに従っているわけですが、なにもそれにこだわることはありませんので、左右を切っても良いなら印画紙の縦横比に近い大きさでも構わないわけです。
下準備をあれこれと
まずは、薬品を用意しなくてはなりません。
暗室にバットを並べ、現像液、停止液、定着液の順に置いていきます。
右利きでしたらば、左から右へ流れていく順番がやり易いはずです。
液の量は、バットが8x10インチ用でしたらばそれぞれ1リットルもあれば十分です。
現像液は使用直前に保存液を薄めるタイプがほとんどですね。
停止液は酢酸を薄めたもの、定着液は使用液をあらかじめ作っておくことが多いでしょう。
ピンセット(トング)も用意し、それぞれのバットのところに置いておきます。
定着液のバットの横にはもう1枚、空のバットを置いておくと便利です。
液温の管理ですが、フィルムの現像ほどシビアではありませんので、室温が18℃から26℃くらいの間でしたら特になにもしなくてよいと思います。
それより寒い、それより暑いなどでしたらば、バットの下に一回り大きなバットを置いて水を張り、温度管理をしたりするのでしょうが、あまり快適な作業環境とは言えないですよね。
できれば部屋ごとエアコンで快適な温度にしたいものです。
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