モノクロ写真の引き伸ばしプリント

前のページからの続きです(page 1 2 3 4 5 6)。

印画紙の現像
作業の順番が前後しますが、印画紙の現像はテストプリント、本番プリントそれぞれに共通の工程なので、先にご説明しておきます。
印画紙の現像は、フィルムの現像と違って基本的には目一杯現像する事になります。 そのため、現像しすぎというのは生半可な事では起こりません。 フィルム現像よりもはるかに簡単で、少々大雑把なものです。気楽にやりましょう。
そもそも、暗室内と言ってもセーフライトが使えますから、フィルム現像と違って真っ暗とか手探りというわけではありません。 それに、ネガさえあればプリントは何度でもやり直せるのです。 失敗を恐れることはありません。

現像
露光した印画紙をイーゼルから取りだし、現像液のバットに入れます。 バットに入れる際は、画像面を下にした方が無難なのですが、実際のところどちらでもあまり気にしなくていいように思います。ボクは下向きです。
印画紙を入れたところで、キッチンタイマーなどで計時を始めます。
基本的には製品の説明に従うことになりますが、標準的な現像液でのRC印画紙の現像時間は60秒〜90秒、長くても120秒ほどと、短い物です。 これは最低限それだけは現像しようという意味だと思ってください。 少々長い方が無難です。かりに指定が60秒となっていても、90秒現像した方が無難ですし問題もありません。
製品に書かれている推奨現像時間は、多くの場合処理温度20℃を基準にして決められていると思います。 それより多少高い温度でしたらば問題ないと思いますが、温度が低い場合は若干現像時間を長目にした方がよいでしょう。
停止
印画紙現像、特にRC印画紙では現像しすぎというのがほとんどありませんので、あわてて現像を止める必要はありませんが、印画紙現像における停止浴は、現像を止めるという他に、続く定着液に現像液を出来るだけ持ち込まないという意味もあります。
基本的に現像液はアルカリ性で、アルカリ性でなければ現像は進みません。 そこで停止液を酸性として中和し、現像の進行を急激に止める仕組みです。 そして、続く定着液が一般的には酸性なので、アルカリ性を排除することで、定着液の能力が失われないようにするわけです。
停止浴での攪拌も現像と同じ要領での連続攪拌です。 正しい濃度の停止液であれば、時間は10秒ほどもあれば十分。 これも正確に秒単位で10秒という性格のものではありません。 タイマーなどを使うこともなく、口で数えるだけでも十分な精度でしょう。
時間が過ぎたら、同じ要領で定着液のバットに移します。

定着
フィルムと同様に、現像処理の最後は定着です。 定着というのは、現像の際に現像されなかった銀を除去する工程です。 現像ですと銀が現像されて画像になるのが目で見えますから、観察していれば進行具合がわかりますが、定着処理は現像されていない銀に作用するものなので見た目が変化しません。しかし正しく定着されていないとプリントの保存性に大きな影響があります。
定着液の能力がちゃんとある事、つまり使いすぎて疲労しすぎていないこと、必要とされる定着時間をちゃんと守ること、などに気を付けましょう。
定着時間が過ぎたら、印画紙をピンセットで持ち上げて液を出来るだけ落とし、空のバットに入れ水洗に移ります。

水洗
RC印画紙の水洗は非常に簡単で、短時間で終わります。
印画紙を入れたバットに水を注ぎ、軽く揺らして攪拌し、排出します。 これを2、3回繰り返した後、流水で2分ほど水洗すれば十分です。
多い水量で激しく洗えば、30秒ほどでもOKですが、印画紙を折ったり曲げたりしないよう気を付けましょう。
なお、水洗に使う水の温度は5℃以上と、イルフォード社は指定しています。

乾燥
RC印画紙の乾燥は大量処理用に専用のドライヤーもありますし、一般家庭にあるヘアドライヤーを使って短時間で済ます事も出来ますが、洗濯ばさみ等で吊して自然乾燥が一般的でしょう。 テストプリントでは、早く乾燥させるためにスポンジで表面の水滴をとり、ドライヤーを軽く当てて乾かしてしまうことがよくあります。
もし可能ならば、乾燥に移る最後の最後に、フィルターを通した綺麗な水にいったん浸けてから乾かすのが望ましいです。水道水の中の不純物がプリント表面に残る事を避けるためです。 水滴防止剤を使うのであれば、使用液は出来れば精製水で、少なくともフィルターを通した水で作ります。
RC印画紙は自然乾燥させるだけでほぼ平らになりますので、乾いてしまえばこれで完成です。


次のページへ続きます。

page 1 2 3 4 5 6

Home