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その他もろもろ
さて、大体のところは書いたような気がしますが、まだ足り無そうな部分を少し。

赤外ストロボ撮影
ストロボ光は赤外線を含んでいるので、ストロボ撮影も出来ますよ、と最初の方で書きましたが、赤外ストロボ撮影には二つのパターンがあります。
ひとつは、ごく普通の赤外写真撮影のスタイルに、ストロボを焚くパターン。 言い換えると、レンズに赤外フィルターを装着して、ストロボは普通に白い光を発光。
もうひとつは、レンズに赤外フィルターを付けるかどうかは別として、ストロボの発光部に赤外フィルターを取り付けてしまうパターン。
前者はまぁ、普通と言えば普通ですが、後者の場合、ストロボ光が目立たないという特徴がありますよね。
ストロボ光以外の光源がある場合、つまり可視光でも撮影可能な場合には、レンズに赤外フィルターを付けないと赤外写真になりませんが、真っ暗なところでストロボ光のみで撮影するならば、ストロボの発光部にフィルターを付けるだけで赤外写真になります。
あるいは、可視光部分の露出を少な目にして(つまりシャッター速度を上げて)、ストロボ光による露出の比率を上げても良いわけですね。
ストロボの発光を赤外線域に限定する手法は雑誌や新聞などでも使われていたようですが、少々盗撮的なニュアンスもあって、ちょっと抵抗があるかも知れません。 有名な作品には、映画館で映画を鑑賞している人々、ステージ写真など、通常のストロボを焚けないような場所で撮られたものが多いですね。
以前は専用の発光部を持ったストロボも存在したようですが、今は見かけませんので、赤外フィルターを自分でストロボの発光部に装着するなどの工作が必要です。
ただし、かなり強力なストロボが入り用なのは想像付くと思いますが、それだけにフィルターは消耗品となってしまいます。 そこで、安価な赤外フィルターとして、未露光で現像したリバーサルフィルムで代用するという手法が知られています。
ちなみに、リバーサルフィルムの代用フィルターはもちろん、720nmとか780nmといった生半可なフィルターだと、完全に発光が見えないというまでには至りません。 派手に光が走るわけではありませんが、発光部が赤くポッと光るのが見て取れてしまいます。
もし、ストロボの発光にまったく気付かれない撮影をしたいなら、かなり番手の高いフィルターが必要で、当然強力なストロボを使用し、フィルムはコダックHIEしか無いでしょうね。

より赤外っぽい写真
赤外写真って、イメージとして「赤外写真っぽい」っていうのがありますよね。 コントラストが高くて、空が真っ黒、雲がぽっかり、木々が雪をかぶったように真っ白、ハイライトが滲んでいる、などなど。

これらのうち、ハイライトがぶわわぁっと幻想的に滲んでいるのは、もちろん赤外というのもありますが、多くはコダックHIEの特徴です。 前にも書きましたが、コダックHIEはアンチハレーション層を持っていないため、ハイライトがハレーションを起こして滲んでしまうのです。 それが幻想的な、いかにも赤外っぽい雰囲気を出しているわけです。
あの感じが欲しいなら、やはりコダックHIEを使うべきでしょうね。
以前MACOのIR820cには、あの感じを出すためにアンチハレーション層を省いたバージョン(IR820 AURA)まで存在しました。 それが復活するかどうかはわかりませんが、ちょっと期待したいところです。
また、どうにも強引という気がしなくもありませんが、フィルムを改造してしまう方法もあります。
Efke IR820のアンチハレーション層は水溶性で、現像時には前浴で簡単に除去出来る(それから現像するようにメーカーは推奨)のですが、新しいフィルムを水洗してアンチハレーション層を洗い出してしまい、乾燥してから使うというものです。 もちろん、全ての作業は全黒で行わなくてはなりませんけどね。
また、ピントのところでもちょっと触れましたが、色収差の補正が極めて良好なレンズよりも、少しだらしないレンズの方がぼやけて見えて幻想的です。


ILFORD SFX / SC-72 Filter
対角線魚眼レンズで撮影
太陽が画面に入ってしまうと、その近くはあまり
赤外写真らしい空のコントラストが出ない。
何度か書きましたが、赤外写真も可視光写真と同じで、反射光を撮影しているわけです。
そしてその出所は、多くの場合太陽です。 当然、撮影するべき赤外線が豊富な方が、赤外写真っぽくなりますから、冬よりは夏、そしてもちろん日中。 曇よりも晴、ですよね。
そして、やはり順光での撮影です。 同じ晴の日中でも、順光と逆光ではまったく赤外っぽさが違います。 太陽を背にして撮影すると、たくさんの赤外線がモロに反射してくる状態を得られますからね。
特に赤外っぽさが分かりやすい植物のスノー効果は、それほど強烈な赤外フィルムではないイルフォードSFXでも、日中の順光なら素晴らしく派手になります。
空を黒く描写するのも同様です。赤外線が反射してこないから空が黒くなるわけですが、順光の方がグッとそれっぽくなります。 逆に太陽に近い空は白っぽくなってしまいますし、空の地上に近い部分も白っぽくなりますから、これは赤外らくしない。

それらを含め、いかにも赤外っぽい写真にするには、
晴天の日中に、出来るだけ順光に近い位置で撮る。
強烈なハイライトがあるようなシーンを選ぶ。色収差の多い古いレンズも効果的(邪道?)。
スノー効果を得られるケースでは、植物を積極的に画面に取り入れる。針葉樹よりは広葉樹。
順光では空を多く取り入れる。逆に逆光では空を入れない方がいい。 高層ビルなどを見上げたカットなどは都市風景写真や都市スナップの定番ですが、地上に近い空が画面に入らないので、ばっちり黒っぽい空を得られる赤外向きの題材です。 感じのいい雲がある時などは、空を中心にした画作りも逃せないパターンですよね。

プリントは、軟調よりはややコントラスト高めに仕上げた方がそれっぽいですし、ローキーよりはハイキーの方が赤外写真の雰囲気が出ますね。
特にスノー効果が出ているカットではかなりコントラストがきつくなるので、トーンを整えるのにフラッシングなどのプリントテクニックも活用したいところですが、ハイライトはいっそ白く飛ばしてしまった方が雰囲気が出ます。
もうひとつ付け加えると、赤外写真とリスプリントとの相性は最高です。


さてさて、長々と書いてきましたが、こんな能書きはもう結構、という感じではないでしょうか。
晴の日には赤外写真を、もちろん銀塩フィルムで、さっそく楽しんでみましょう。

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