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最大濃度になる最短時間を求める
さて、前置きはこれくらいにして、ここからが本題の「最短時間最大濃度法」のテスト方法です。
必要なのは、プリントする写真のネガの他に、先ほども使った素ヌケのコマ。
印画紙と現像液は、普段よく使う物、というよりも、テストしたい組み合わせというのが本来は妥当ですが、まずは自分の標準的な組み合わせでやってみましょう。
印画紙の号数(フィルターの号数)も自分にとっての標準のものを使います。
一般的には2号か3号でしょう。
印画紙は何枚か使ってしまいますので、勿体ないのでキャビネ程度の小さなサイズで結構です。あるいは、暗室内で小さく切ってしまいます。
実際のプリントのサイズはなんでも構いませんが、まぁテストに使うのですから小さくても8x10インチ、大きくても11x14インチくらいでしょうか。
手順
普通にプリント出来るネガをセットし、イーゼルの羽根や位置を合わせて、ピントを合わせ、レンズの絞りも普段通りにします。
多階調印画紙を使うならフィルターもちゃんとセットします。
ここで普通のネガを使ったのは、引き伸ばし倍率やピントを合わせるためです。
素ヌケのネガではピント合わせもままなりませんからね。
ここでいったんネガをネガキャリアから外し、素ヌケのネガをセットします。
そして、テスト用の印画紙をイーゼルにセットして、素ヌケのネガを通した無地の投影光で段階露光します。
段階露光のやり方は様々ですが、回転式のストライプテスターなら同心円の、遮光紙(遮光板)をズラしていく方法なら縦ストライプですが、印画紙上に露光時間の変化によって縞々の模様が出来るようにするわけです(参考ページ)。
例えば、12秒、14秒、17秒、20秒、24秒、28秒・・・といった具合です。
| 12秒露光 |
14秒露光 |
17秒露光 |
20秒露光 |
24秒露光 |
28秒露光 |
それなりのグレーからはじまって、最後は真っ黒になるように段階露光していきますと、どこかでそれ以上濃くならないところが出てくるはずですよね。
つまり印画紙の最大濃度に達する露光時間というのが、いつかかならずやって来ます。
例えば、14秒と17秒では明確に違い、17秒と20秒ではかすかに違いが分かるだけ。
20秒と24秒では見分けが付かない、という状態です。
もしそうなら、いま例に挙げた間隔での精度では、20秒が最短時間最大濃度、のように思えます。
が、大抵はもうすこし行けちゃうはずです。
濃い黒と、それよりちょっと濃い黒の見分けというのは、非常につきにくいものですから、隣り合う20秒と24秒の見分けが付きにくいだけかも知れません。
その事を念頭に置きながら、最大の濃度に達する最短の露光時間というのを、少しだけシビアに追求してみましょう。
20秒と24秒の見分けが付かなくても、案外20秒と28秒の見分けは付いたりします。
印画紙の最大黒はかなり黒い、と思って良いです。
ボクのやり方は、まずやや大雑把な段階露光で大まかに露光時間を求め、それから境目付近の露光時間を細かい刻みでテストしていきます。
先ほどの例のように20秒くらいというのが分かったら、次は20秒の前後だけを細かく段階露光します。
例えば、17秒、18秒、19秒、20秒、21秒、22秒、といった感じでしょうか。
次に、遮光性のある板などで印画紙の半分を覆い、部屋の灯りを数秒間点灯します。
引き伸ばし機で段階露光した部分と、室内の灯りで大量に露光した部分が隣り合うようにするわけです。
| 17秒露光 |
18秒露光 |
19秒露光 |
20秒露光 |
21秒露光 |
22秒露光 |
| 室内灯で大量に露光した部分 |
上の図がその様子を示した大げさなイメージで、印画紙全体を使って段階露光したあと、上半分を覆い、下半分だけに室内灯で大量に光を当てている様子です。
段階露光だけで見比べると、隣り合う20秒と21秒が同じ濃さの黒に見えてしまい、20秒が最大濃度を得られる最短時間と思えるのですが、目一杯露光した下半分と隣り合っていると20秒ではまだ最大濃度ではなく、21秒でようやく達する、というのが分かります。
これだと、ちょっとキビシイかなと思えるくらいにシビアな露光時間が得られます。
どれくらい緻密にやるかは必要に応じて。
普段のプリントで調整する単位、1秒刻みだとか0.4秒刻みだとか人それぞれだと思いますが、常識的な精度での露光時間を求めて行きます。
むやみに緻密でも意味がないですし、あまり大雑把でもやはり意味がありません。全体の露光時間の5%くらいの刻みは最低限でもやりたいところでしょうか。20秒くらいの露光時間なら、1秒刻みという感じです。
ちなみに、仮に段階露光の際に2秒づつ10回露光した場合、本番で20秒を1回露光すると引伸機の光源ランプの立ち上がりや残照などで若干の違いが出てきますからご注意を。
なるべく露光の回数を減らすようにテスト露光を2段階にわけるとか、本番の時も○秒を○回といったように段階露光時と同じにするなど、条件が大きく違わないよう工夫が必要です。
先ほどのように17秒以降をテストするのであれば、17秒露光の後に1秒ずつ複数回足していく、というような方法で露光回数を減らせます。
最大濃度を得る最短時間を求めるのはなんだか面倒くさいように感じますが、馴れてしまえばどうということはない作業ですので、おっくうがらずにやってみましょう。
それに、同じフィルムを同じように現像してある場合、素ヌケの濃さはほぼ同じであるはずです。
非常に古いフィルムでカブリがあるとか、増感現像でカブリが増大しているなどでは例外になってしまいますが、通常の範囲では常識的な精度で同じはずですので、同じ印画紙(多階調なら同じフィルター)で同じサイズ(引き伸ばし倍率)、同じ印画紙現像をするなら、以後も同じ事になります。
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