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最大濃度を得られる最短露光時間でプリントしてみる
さて、こうして得た露光時間を使って、自分の標準的なネガをプリントしてみます。
例えば18秒が、テストで使った印画紙と現像液の組み合わせで最大濃度を得られる最短時間だったとしたら、ネガキャリアの素ヌケのコマを普通のネガに入れ替えて、そのまま18秒で露光、現像・定着します。
テストが15秒+1秒+1秒+1秒だったのなら、厳密には同じ手順で露光しなくてはいけませんが、まぁ常識の範囲で厳密に。
もしそのネガが、的確なフィルム感度に基づいた適切な露光量で撮影され、その印画紙の号数(フィルター)に適切なコントラストとなる現像がされているベリーグッドなネガであったなら、ただもう、この露光時間を使うだけでプリントが出来上がるはずです。これが出来た時って、実に気分がいいものなのですよね。
ところが、そういうベリーグッドなネガはなかなか得られる物ではありません。

ストレートプリントから分かること
最短時間最大濃度法で得た露光時間でストレートプリントを作り、そのプリントをとおしてプリントに使ったネガを検証してみます。
まず、全体としてプリントが暗いか明るいかを見てみます。
印画紙への露光時間はプリントした写真の内容に関係なく、スヌケのネガで最大黒になるように決めてありますので、単純にネガ上の濃度が薄ければプリントは暗く、濃ければ逆に明るくなります。
プリント時の露光時間によってネガの都合に合わせる、という事をせずに、ネガなりの濃度を印画紙に投影しているわけですから当然です。
基本的に、どこかが適正ではないネガは、「露光不足」「露光過多」「現像不足」「現像過多」の4つの要素と、どちらかは「適正」の組み合わせです。
組み合わせとしては以下のいずれかになります。 同じ事の繰り返しになりますが、「露光過多」の場合にはシャドウ部分が黒く締まらず、「露光不足」の場合にはシャドウ部分が黒くつぶれてディテールが出ません。
「現像不足」の場合にはハイライトが明るくならず、「現像過多」の場合にはハイライトが明るくなりすぎます。
このように、撮影時の露光量(露出)が適切かどうかはシャドウ側で、現像量(現像時間)が適正かどうかはハイライト側で判断します。
「シャドウのために露光し、ハイライトのために現像する」という言葉の通りです。

ところで、「露光不足」「露光過多」というのは、暗室内ではなく撮影時の問題です。 測光方法、あるいはフィルム感度(撮影感度)の設定を見直す必要があります。
撮影感度を設定するためのテスト方法はこの後ご説明しますが、そのテストによって得た撮影感度を使っても実写での露光量が適正にならない場合は、残念ながら撮影時の測光がしっかり出来ていない証拠です。
本来なら暗室技術以前に写真撮影の基本から勉強をはじめなくちゃなりませんが、ざっくり言って、常に露光不足が多い場合には撮影感度を下げ、露光過多が多い場合には撮影感度を上げればよいでしょう。
撮影時の測光について考え直してみるのであれば、いまやっているモノクロ写真はネガフィルムを使っているという事を念頭に置いてください。 ネガフィルムはシャドウ部分の濃度がネガ上で薄く、薄すぎるシャドウは現像やプリントでカバーできません。 シャドウを基準にして測光する、というのが鉄則です。

いっぽう、現像過多の場合には現像時間を短く、現像不足の場合には現像時間を長くすればよいので、わりと話は簡単です。 ただし、より厳密に現像時間を設定するにはさらなるテストが必要です。
>> 「標準現像を決めよう

さて、ここまで来ればお気づきの方も多いと思いますが、「最短時間最大濃度法」の肝は、特定の号数の印画紙(フィルター)において、プリント時の調整を行わずにネガ上にある情報をそのまま投影する事にあります。 印画紙への露光時間を、ネガ上の画像に一切左右させない、というのがポイントです。
逆に印画紙上の画像は、露光時間には左右されず、ネガ上の画像にだけ影響されるわけです。 テストに使う素ヌケ状態のネガは、未露光で現像だけしたもので、それを真っ黒にプリントするためのもっとも短い時間ですから、撮影によってネガに加えられた画像は、真っ黒より薄い黒やグレーとしてプリントに表れます。
そしてその濃さは、それ自体を基準にしてプリントされるわけではなく、絶対値である素ヌケよりどれだけ濃いかが全てです。
その独立性のおかげで「最短時間最大濃度法」は、フィルムへの露光量や、フィルムの現像量など、さまざまなテストに用いることが出来るわけです。

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